進化する医療技術。生体磁場を活用した新たなる医療体験。

「生体磁場」という概念や細胞が磁気を帯びることは、多くの方にとって新鮮な話かもしれません。しかし、これは決して仙骨良法を神秘化するための筋書きではありません。現代医学でも、生体磁場は大きな関心事となっています。最新の医療機器には、生体磁場を活用した診断装置が登場しています。その代表が、ごく最近開発された核磁気共鳴コンピューター断層撮影装置、通称NMRIC T、です。
この装置は核磁気共鳴現象を利用しており、外見はX線CT装置に似ていますが、放射線の代わりに強力な磁場を使用しています。
先述の通り、物質の基本である原子は、それぞれが微小な磁石の性質を持っています。この性質を利用し、強力な磁場を作り出し、人体に電波を送り込むことで、原子核の独特な反応を読み取ります。これにより、人体の断面像を、縦断面や横断面など自在にブラウン管上に表示することが可能となります。
例えば、人間の頭部をスキャンすると、頭蓋骨、脳髄、眼球、そして脳腫瘍などが、驚くほど鮮明に画面に映し出されます。
この事実は、これらの器官が異なる波長や強度の磁性を持っていることの証明です。
NMR-CTの検査を受ける患者は、仰向けになって装置の中に入ります。その中は強力な磁場で満たされており、隣室のコンピュータのスイッチが入ると、数分後には望む位置の断面図が画面に表示されます。
この装置を用いることで、腫瘍の性質や脳内出血、クモ膜下出血、脳梗塞など、診断が難しい症状も容易に判定できます。
強力な磁場を活用したこのNMR-CTは、X線に比べて人体への影響が少なく、がん細胞が正常細胞に混ざるケースや、骨に覆われた脊髄や小脳、脳幹などの異常を、X線CTより鮮明に捉えることができます。これが今後の医療診断装置の注目点です。
この装置は大きく、かつ経済的にも高価ですが、MRTで使用されるものは非常に小型化されています。

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