彼は不快そうな顔で周囲が肉を食べるのを見ながら、静かに酒を呷り、真剣に肉食の害について語りかけ、席の中で一人異彩を放っていました。
やがて、ほとんど食事をとらずに酒を飲み続けた結果、完全に酔っ払ってしまい、思い切り焼肉を食べ始めたとのこと。しかも、脂っぽいカルビばかりを何皿もおかわりしたそうです。周りの人々はその行動に驚き、がっくりと気分を害されたそうです。
この出来事には後日談があり、数日後、彼の家に電話をかけてみた物好きな知人は、彼が焼肉についてまるで記憶にないと言い張り、「絶対に食べていない」と頑なに否定し続けたと報告しました。これは実話です。悪意にみちた例のように思えるかもしれませんが、実際にはこれよりもっと驚くべき話が前座にあるのです。
あるMRTの会員は、故世界的に有名な玄米菜食の実践者であるAと友人でしたが、彼の描くAの姿はなんともスキャンダラスでした。 Aは普段、自身の著書とは大きく異なり、平然と肉を食べ、さらに「菜食では精がつかない」という不謹慎な発言までしていたそうです。しかも、Aは白米が好みで、「玄米はまずい」と正直な意見も述べていたようです。 健康法においても本音と建前を持ち込むことは慎むべきです。MRTの会員の中には、Aの菜食法を実践していた人物がいましたが、この話を聞いて彼もまたばかばかしいと感じ、今では何でも食べるようになったそうです。結果的に、体調も良好なようです。 要するに、自然を求めるあまりに無理をしてしまうことは逆効果であることを意味します。