奇妙な実験の話をしたついでに、もう一つ不思議な話を致しましょう。人間の細胞は、この百年の間に、より高度な次元に進化してきました。進化と聞くと、通常、過去や未来の話として捉えられますが、現在進行中の進化というのは驚くべきことです。昔の人間の細胞では、現代の科学に耐えることはできませんでした。昔の人々が偉大だったというのは歴史上の特筆すべき人物の話であり、個々の人々を比較すると、現代の人々の方が優れていると言えます。
細胞の進化の証拠として、現代では病気の数が百年前よりもはるかに多いことが挙げられます。さらに、その病気はより複雑なものが増えています。単純な細胞では単純な病気しか引き起こりませんので、病気の進化は細胞の進化と連動しています。その結果、カイロや鍼の効果が薄れたり、逆に有害になったりすることもあります。
鍼治療などは毎年新たなツボが発見される一方で、体中にツボがあるという主張が増えています。これでは、何が本当のツボなのか分からなくなってしまいます。現代人の体は非常に敏感であり、どこに刺しても反応があるのは当然のことです。鍼治療は中国の歴史を誇っていますが、それでも五千年もの間に、刺激された細胞の反応に気付かないのか、という疑問が残ります。
それはさておき、現代の細胞は非常に感受性が高く、一つ一つが生きるために要求を持っています。したがって、個々の細胞の要求を満たすことが、体全体の健康を保つ鍵となります。自己中心的に一部の細胞を犠牲にすることはできません。