しかしながら、現在市場で入手可能な磁気ネックレス、磁気サンダル、磁気マットレス、磁気絆創膏などは、非常に強力な磁石を使用しています。私が目にした中で最も強力な磁石は、十数万円もするセットであり、それらの磁石を小指ほどの距離で挟んでも、なお引き合い、落ちない驚くべきものでした。
これらの器具を身体に装着すると、生体内の磁気による情報ネットワークが根絶やしにされます。確かに、例えば細胞の極性が異常にマイナスに磁性化している部分に、プラスの極を当てると、一時的にその症状が緩和されるように感じられます。
しかし、そのような状態を長時間維持すると、外部からの強力な磁気の影響を受け続け、細胞は不活性化し、結果的には悪化する可能性があります。これに関する信頼できる実験報告があります。
アメリカの「OMNI」誌には、サルの頭蓋にコイルを巻き、直接脳に電磁波を作用させる実験が掲載されています。これは、ホセ・デルガド博士らの実験をジャーナリストのキャスリーン・マックオルフィー氏がレポートしたもので、一九八五年六月号の日本版「OMNI」にも脳を刺激する電磁エネルギーとして掲載されました。
この実験では、三匹のサルが使用されました。実験の条件を整えるため、一匹は電磁波を流されず、他のサルと同様にコイルに固定されました。
二匹目には微弱な電磁波が加えられ、三匹目にはやや強い電磁波が加えられましたが、それでも地球磁場の五十分の一程度の強さです。この量は、直接脳に照射されない限り問題にはなりません。
実験が開始された直後、三匹とも特に異常な反応は見られませんでした。しかし、一時間も経たないうちに、二匹目と三匹目に異変が現れました。二匹目はカメラの回りで眠り込み、ライトが照らす中でした。三匹目はあくびをしながら狂ったようにもがき始めました。このように、生物に直接的な磁気を浴びせると、微量でも重大な影響が現れます。そして、これらの影響は、リニアモーターカーや他のハイテク機器が実用化され、関心が高まってきた段階ですが、まだ十分な実験データは得られていません。まだ試行錯誤の段階と言えます。
このような時期に、磁気治療が全ての病気に効果があると考えることは非常に危険であり、また理論的にも未熟な考え方です。
厚生労働省がこれらの器具を健康器具として認可している根拠については、理解が難しいものです。
人間や動物、植物も、地球磁場によって生活しており、強力な磁場は危険以外の何物でもありません。
このように強力な磁石を多数箇所に装着すれば、生体の情報伝達系は壊滅的な打撃を受け、致命的な結果に至る可能性もあることに警告したいと思います。