畳屋の五十歳代の職人さんも、腰痛で診察を受けに来ました。うつぶせになって治療を行おうとしても、なかなか立ち上がらない様子。質問しても、「いや、ちょっと」とぼそぼそと答えているのです。
彼が悩んでいたのは勃起してしまったこと。なんと十年ぶりのことだと言っていました。畳屋は不自然な姿勢で仕事をし、長時間腰に負担がかかりやすい仕事です。畳をかつぎ上げることもあるため、腰を痛めやすいのです。それが原因で彼は勃起不全になっていました。
初回の治療で驚くべきことが起こりました。最初に腰痛を治しに来て、結局立ち上がったのです。また、スキー中にアイスバーンで腰をぶつけ、腰痛と勃起不全になった二十六歳のサラリーマンも訪れました。
彼は腰痛で入院経験があり、その後結婚したが、新婚なのに勃起不全になりました。仙骨の変位が原因で、正常な状態との対比で問題が明らかです。彼は一年間も別々に寝ていたが、妻は我慢できず、仲人のところに駆け込んできたのです。
彼の父親は私の助けを求め、田舎では離婚と勃起不全の評判が立てば再婚が難しいことを心配していました。彼は整形外科にも行ったが、結局私の治療を受け入れることにしました。真剣で堅実な性格ゆえ、ソープランドなどの場には行けませんでした。しかし、数回の治療で朝立ちが戻ったそうです。「よかったですね」と言うと、「でも、先生、おしっこするとまた小さくなります」と悩みを打ち明けられました。
「朝立ちや小便までの命かな」という真理を理解していない彼は、立ちっぱなしの状態を正常だと思い込んでいるようです。彼はウブな青年であり、体は回復しても妻に問題を告げるのは難しい状況にあります。
雰囲気作りが不可欠ですが、共に旅行に行く提案も実現できませんでした。妻は学校の先生で処女らしいこともあり、どちらもこだわりがあり、進展が見込めません。私は、「あなたのご主人はもう立派な男性です」と保証し、再度連れてきてもらうよう提案しましたが、彼女はそれ以降、顔を見せなくなりました。この問題は難解であり、解決が難しいものとなりました。